「ワオ、どうしたのそれ」
いつもより明らかに弾んだ声音に、予想通り上手くいったと満面の笑みがこぼれる。
「夏らしいことしようと思って、着てみました!」
帰ってきた旦那様に見せびらかすように、浴衣の袖を掴んで腕を広げてみせた。
涼しげな青地の浴衣に黄色の帯。アップにした髪に、裾から見える素足へ目を走らせ、雲雀はふぅんと答えた。
「スイカ冷やしてあるので、恭弥さんも着替えて、月夜でも見ましょうよ」
の粋な提案に、雲雀はすぐに寝室へと消えていった。
長い梅雨に気が滅入ってたこともあり、気が晴れるようなことがしたかった。
彼にとっても息抜きになればと、ちょっとしたサプライズのつもりだった。
るんるんでスイカを取り出し、どう切ろうかと包丁を宛がっていると、
「うわっ、びっくりした」
音もなく後ろから腕を廻し、雲雀がぴったりとくっついてきたのだ。
おしりに固いものが当たり、カーッと顔に熱が集まってゆく。
雲雀はうなじに何度もキスを落としながら、私の手から包丁をそっと抜き取った。
「恭弥さん、スイカ……」
「後でいいよ」
さっと冷蔵庫にしまうと、を抱き上げ歩き出してしまう。
はぁ、結局こうなるのか…。
「もう、せっかく着付けたのに」
「似合ってるよ、とても」
それを今から脱がされることになるのですが…。
ピンと布が張って、主張するかのように突き出たお尻をさわさわ撫でられ、そのもどかしい感覚に、大きく溜め息をついた。
布団の上に胡座をかき、その上に彼女を下ろした。
吸い寄せられるように唇に噛みつき、舌を侵入させ、荒く口内を掻き回す。
あまりの激しさに逃げようとするので、後頭部を手で抑え、びくんと跳ねる舌をさらに弄んだ。
「んんっ…!」
苦しそうに肩を叩くので離してやると、息も絶え絶えに恨めしそうに睨んでくる。
「興奮しすぎです!」
言い方が気に食わなかったので、彼女の弱い耳の輪郭をなぞるように舐めてやった。
「……っ!」
皮膚が薄いだけに、耳の形がよくわかる。
本人はそれ以上に舌の動きを感じているに違いない。
息を殺そうと手で口を抑えているが、耳は真っ赤だ。
威勢が削がれたところで彼女の衿を掴み、はだけさせる。
「あっ…」
布に隠れている胸を中から取り出せば、前に突き出るような、飛び出た形になる。
衣類を纏っているのに胸だけ露出している姿が、純粋にエロいと思った。
今度は裾を大きく広げ、なまめかしい太ももに手を這わせる。
が慌てて衽に手を伸ばしたが、邪魔だと払った。
「あ、あの…恭弥さん…?」
抗議の声を一切無視してショーツをずらし、愛液が溢れる膣内へ中指を挿れた。
じゅぽじゅぽと出し入れを繰り返せば、男性器とは違うゴツゴツした男の指に、は悶えていた。
指を折り曲げ、彼女が喜ぶところをトントンとノックし、追い討ちをかける。
「ああっ、う…!」
たまらず雲雀の首に抱き付き、息を詰めた。直後、指をぎゅうと締め付けイッたようだった。
「今日はバックでしようか」
脇に手を入れて、だらりとした彼女を引き剥がし、四つん這いにさせる。
パンパンに腫れ上がった自身を取り出し、入り口に宛がえば、ぬるりと勝手に入っていった。
「んぅ…」
中は体液と熱さで、溶けそうなほど気持ちがいい。
早くを味わいたい。
彼女の息が落ち着いた頃を見計らって、がむしゃらに打ち付け始めた。
「あん!や…恭弥さ、激し…っ」
ぬちゃぬちゃという水音と、肌がぶつかる音が室内に響く。
が何か言おうとしているが、喘ぎ声でよく聞こえない。
それもそのはず、奥で快感を得られるようにしてある彼女には強い刺激になってるはずだ。
「こ…こわ、い」
力が抜け、はくたりと突っ伏してしまった。
律動を緩め、やり過ぎたかと彼女を見下ろす。
リボン状になっている作り帯を引き抜き、投げ捨てる。
今時の浴衣は便利になったものだと、頭の隅で思った。
一旦、肉棒を抜き、彼女を仰向けにさせた。
上気した頬には汗が浮かんでいて、不安そうな目は雲雀を見上げていた。
「恭弥さん、こわい」
こわいと言われ、を忘れて挿れることだけを考えていたことに気付く。
彼女の言葉通り、興奮していたのだ。
「君がそうさせたんでしょ」
「…浴衣なんて着るんじゃなかった」
不貞腐れている彼女に優しくキスをした。
「それは困るね」
頬を撫でると、目を細めてすり寄ってくる。
手を伸ばしてきたので指を絡ませると、満足げに微笑んだ。
再び挿入し、ゆっくり腰を動かす。律動に合わせて胸がぷるぷると揺れて、いい眺めだ。
「はぁっ…ん」
肉棒にナカを押し広げられ、ぐりぐりと最奥を刺激する動きに苦悶の表情を浮かべる。
浴衣から伸びる手足と、胸をはだけさせてる淫らな彼女に、思わず
「綺麗だ」
本当に無意識だった。ぽつりと口から出た言葉に、自分でも驚いた。
もきょとんと雲雀を見上げていた。
「待っ、ん…ああぁっ」
何か言われる前に腰を掴み、奥へ奥へと突き動かす。したたる汗も構わずに、腰を打ち続けた。
が腕を広げるので抱き締めてやると、必死にしがみついて快楽に悶えていた。
「恭弥さん…恭弥さ、」
声が上ずり、手に力がこもる。膣内がぎゅうと締まり、射精を促すように脈打った。
抗う理由はなく、素直に精を放つ。
お互いの荒い息だけが響いた。
汗ばむ首筋に顔を埋め、ゆるゆると腰を動かして余韻に浸る。
が取り付けたであろう風鈴が、遠くでチリンと鳴った。
「あーあ、汗でびしょびしょ」
呆れたように笑うを抱き起こし、シャワーを浴びるべく浴場へ向かった。