背後に彼女の気配を感じ、読んでいた資料を机上に伏せる。
数秒後、背にコツンと額をつけ、ぎゅうとがしがみついてきた。


「どうしたの?」


腹部に廻された左手薬指の指輪を撫でながら返答を待つ。
これは僕のものだという証。
体の向きを変えて彼女と向き合うと、は縮こまったように布団の上に正座した。


「……キス、してほしいです」


間接照明に照らされ、恥ずかしそうにもじもじするが、一層色っぽく見えた。


「なら、君からしてよ」


にやりと笑い、挑発的に目を細めれば、は驚いたように僕を見た。そしてすぐ目をそらす。
欲と葛藤するも、改まって自分からするとなると、どうも羞恥心が勝るようだ。
その様子をにやにやと楽しむ。


「…恭弥さん、目閉じてくださいね」


意を決したのか真っ直ぐ視線を向ける彼女に、「いいよ」と素直に応じる。
しばらくして柔らかい唇が自身のに触れた。

離れないうちに彼女の唇を塞ぐ。ちゃんとできたご褒美だ。
噛みつくように貪るように、何度も角度を変える。
は付いていくのにやっとなようだが、それでも応じようと必死な姿が、なんとも愛しい。


「…はっ、ん」


吐息に熱が帯びてきたところで舌をねじ込み、戸惑うように差し出された舌を絡めとった。
境界がわからなくなる頃には、彼女の頬は紅潮し、とろんと目尻が下がっていた。


「どう、満足?」


顔を離し、ぷつりと切れた透明な糸を拭ってやる。
荒い呼吸で肩を上下させながら、は小さくこくりと頷いた。
羞恥に耐えきれなくなったのか、僕の胸に抱きつき顔を埋めた。


「あのっ…もっと…触ってほしいです」


彼女の積極的な姿を珍しく思いながらも、言葉通りに服からするりと手を入れ、腰から背へ、なめらかな肌を撫でてやる。


「今日はよく甘えてくるね」
「そういう時期もあるんです」


ホックを外し、下から持ち上げるように胸を揉みしだく。
この重みと弾力が癖になるのだ。


「何、発情期?」
「ち、違いますっ!」


膝立ちになり、ゴツンと頭突きされた。
は本当にたまにだが、自分からおねだりをする時期がある。恐らくホルモンバランスによるもので、発情となんら変わらないではないか。

お返しにとすでに立ち上がっている先端をきつく摘まめば、ひっと息を呑む音がした。
首に抱き付くように密着するので、耳元に熱い吐息がかかってくすぐったい。


「はぁっ…恭弥さん、」


とろけた声音で名を呼ばれ、ぞくりとする。その声をもっと聞かせて。もっと名を呼んでほしい。
ぐにぐにといじってやれば、待ち望んでいた甘い痺れが彼女を駆け巡り、嬉しそうに名を呼んでくれる。


…」


首筋に何度も口づけしながら、手を太ももからスカートの中へ移動させる。
そこはもう湿っていて、下着の上から掻き回すと、くちゅくちゅと水音が響いた。
自分からおねだりしただけあって、感度がいい。


「聞こえる?」
「うっ…恥ずかしいからやめてください!」


気にせず刺激を与え続ければ、次第に気持ちよさが勝ち、彼女の口からは甘い鳴き声だけになった。


「あっ…ん、気持ちいい…」
「ねぇ、


ピタリと手を止め、が不服そうに体を離す。僅かに見上げるような体勢で、にやりと笑んでみせる。

彼女の腰を掴み、引き寄せながら腰を落とさせた。
対面座位になり、固くなったものをグリグリと押し当てる。


「突いてほしい?」


さらなる快楽が欲しいか?
もうここまで来たのだ。答えは明白だった。
は頬を赤く染めながらも、ソレに疼く自身を認め、真っ直ぐ僕を見つめた。


「…ほしい。恭弥さん、たくさん突いて…?」
「よく言えたね。望み通りたくさん突いてあげる」


君が満足するまで。

……? / menu